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プロジェクトストーリー①

誰もが安心してATMを利用できる
“Japan Quality”を世界へ

セブン銀行の成長戦略で重要な位置を占める海外ビジネス。
現在はアメリカ市場に加え、成長著しいインドネシア、フィリピンでATMプラットフォームの拡大を進めています。
今回はその海外プロジェクトに携わる3名に、海外プロジェクトの意義ややりがい、難しさなどを語ってもらいました。

メンバー紹介

  • J・W

    PT. ABADI TAMBAH MULIA INTERNASIONAL
    代表取締役社長
    渡部 譲(以下「J・W」)

    2003年入社 経営法務専攻修了

  • M・S

    PT. ABADI TAMBAH MULIA INTERNASIONAL
    T・N

    2013年入社 国際関係学部卒業

  • T・N

    Pito AxM Platform, Inc.
    取締役社長
    坂口 正憲(以下「M・S」)

    2012年入社 教養学部卒業

トーク

01

それぞれご自身が関わるプロジェクトの概要を教えてください。

M・S

「世の中すべての人たちの“お金”をより便利に」というミッションの下、海外における経済格差是正に貢献するため、2つのプロジェクトに携わっています。一つは米国子会社のFCTI, Inc.(以下「FCTI社」)で、アメリカにあるセブン‐イレブンに8,000台以上のATMを設置し、原則24時間365日、誰もが安心して使えるATMサービスを提供した事業です。私は2017年に渡米し、2021年まで本プロジェクトに携わりました。
そしてもう一つがフィリピン子会社のPito AxM Platform, Inc.(以下「PAPI社」)で、フィリピンにあるセブン‐イレブン店舗にATMを設置し、現地銀行やフィンテック企業等と戦略的パートナーを組み、さまざまな金融サービスを必要としている方へ届けるというプロジェクトです。こちらは2021年2月から本格稼働を開始し、私は8月にPAPI社の社長に就任しました。

J・W

私は2014年からインドネシアでの事業に携わっています。地方郊外において金融アクセスが十分に整備されていないインドネシアにおいて、金融サービスへのアクセスを主にATMを通じて増やすことで、インドネシアにおけるファイナンシャル・インクルージョン(金融包摂)※1を進めるプロジェクトです。現地でのATM運営会社であるATMi社の創業メンバー兼代表者として、インドネシア人・日本人駐在員の仲間とともに、そのミッションとビジョンの早期実現を目指しています。

T・N

私は2015年にインドネシアのプロジェクトに参加しました。現在は企画や営業戦略を統括する立場で、J・Wさんをサポートしつつ、インドネシアにおけるATMビジネス、主にホワイトレーベルと呼ばれる共同利用型ATMの事業計画策定や予算進捗管理、設置場所選定などの業務を推進しています。

※1 ファイナンシャル・インクルージョン(金融包摂):貧困や差別などに関係なく、世界中の誰もが取り残されることなく金融サービスへアクセスでき、金融サービスを受けられるように支援すること。

トーク

02

セブン銀行が海外プロジェクトを推進する社会的意義とは?

M・S

アメリカでは、ATMの利用が限定的だと感じていました。その理由は、停止しているATMが多かったり、設置場所が整備不足であったりして、ATMがあまり信頼されていないからではないかと思いました。そこに誰もが安心して、いつでも利用できるJapan Qualityを導入することで、質の高いATMサービスへと昇華させたことが米国市場展開の大きな意義でした。

J・W

アジアのATM環境はもう少し切実です。インドネシアのリテール流通決済は、未だに現金決済が主流ですが、地方の郊外では、ATMを利用するためにバイクに乗って10~20分かけるのが当たり前です。日本では約20年前にコンビニATMの登場で、ATMへのアクセスが大きく改善されました。ここインドネシアにおいても同じことが実現できれば、市民の日々の金融サービスへのアクセス改善に与えるインパクトは、日本で起こったそれとは比べ物にならないほど大きいと確信しています。

T・N

当社が取組むATMビジネスは「市民の近くで、信頼できる金融サービスへのアクセスを提供すること」をミッションとして掲げており、ATMへのアクセスが難しい郊外を中心に設置展開しています。ATMが設置されれば、都心まで出金のために出向く必要もなく、地元で買い物ができます。そうなれば地域の振興、経済発展にも結びつくでしょう。自分達の手でインフラを作り、インドネシアへの貢献に直接繋がる非常にやりがいのある仕事だと感じています。

M・S

フィリピンもATM環境はインドネシアと同様です。預金や融資といったベーシックな金融サービスが全国民に行き届いていないフィリピンで、身近に利用できるセブン‐イレブンへATMを設置し、誰もが必要とする金融サービスが受けられるインフラを提供する。その後、現地の潜在的な金融ニーズを理解し、戦略的パートナーと一緒に新しい金融サービスを開発・提供する仕組みを構築することで、より便利で豊かな社会づくりに貢献したいと考えています。

03

海外プロジェクトを遂行するうえでどのような困難がありますか?

J・W

ATM設置計画が白紙に戻り、一からの立て直しを余儀なくされたこともありました。そんな想定外の事態が起きるのも、海外プロジェクトの特色かもしれません。

T・N

そうですね。日本では滅多に起こらない大きなトラブルが頻繁に発生します。一度ジャカルタで3日間にわたって停電したときは大変でした。なぜならATMの中の現金を保全する必要があるからです。その都度、社員と協力し困難を乗り越えていますが、海外ならではの苦労は絶えません。

J・W

主にインフラの状況、ビジネス習慣の違い、自然災害等に起因するものも少なくありません。

M・S

アメリカでは、品質に関する感度の違いは大きかったです。お客さまにいつでも安心して利用してもらうためには、常に100%の稼働率を目指して改善を続ける必要があります。しかしアメリカでは、必ずしも稼働率100%ではなくても問題ないだろうと考えている社員もいて、私たちの想いを理解してもらうことに苦労しました。こうした考え方の違いは一朝一夕で解決できることではありませんが、お客さまのためにできることは何か、どうすれば喜んでいただけるかを、現地の方と議論を積み重ねていくことで、少しずつ溝が埋まっていきました。

トーク

04

プロジェクトに関わる面白さ、やりがいとは?

T・N

自分たちが置いたATMに対してお客さま、パートナーに感謝されることが何よりのやりがいです。心からの笑顔で何度も「ありがとう」と言っていただけます。それだけATMがもたらす価値は大きいと実感しました。

J・W

誰も挑戦したことのないアイデアに挑戦することは、困難も大きいですが、素直に楽しいです。それが一人ではなく、同じ想いを持つ多くの仲間と辛苦を共にしながらであれば、なおさらです。

M・S

そうですね。出身や文化の異なる現地の従業員と一つになって、プロジェクトを進められたことは、自分のキャリアにとっても大きな自信に繋がりました。今度はこの経験を活かして、フィリピンの人々にJapan Qualityの金融サービスを提供したいです。そして、世界中で誰もが当たり前に金融サービスが受けられる、ファイナンシャル・インクルージョンを実現できる社会を目指して尽力したいです。

J・W

インドネシアでは数年以内にATMを1万台規模に増やし、全国津々浦々どこにいっても我々のATMが当たり前に存在する日常の実現に注力します。並行して、提供するサービスの種類を増やし、インドネシアの地方郊外の人々のさらなるファイナンシャル・インクルージョンと生活インフラ改善に貢献したいです。

T・N

まずはインドネシアで最も大きく、信頼できるATM運営会社を目指していきたいです。そして将来的にはインドネシアで学んだことを、新たな国へのビジネスにも活かしていきたいと思っています。

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