カードローンの審査基準や内容は?必要な理由や通りにくいケース、流れも解説
カードローンは、限度額設定の申込時に実施される審査に通過しないと利用できません。カードローンの利用を検討している方のなかには、審査が不安な方もいるのではないでしょうか。
審査の内容や基準は公表されていないため明確に知ることはできませんが、一般的な審査項目や審査に落ちてしまう原因を知っていれば、通過する確率を高められるでしょう。
本記事では、カードローンに審査が必要な理由と審査内容、通りにくいケースを解説します。カードローンで借入れする際の注意点も説明するので、申込みを検討している方は参考にしてください。
カードローンに審査が必要な理由
カードローンを利用するには、審査の通過が必要不可欠です。その主な理由を解説します。
- ・返済能力の有無を確かめるため
- ・総量規制に当てはまらないかを確認するため
カードローンを利用すると、毎月お金を返済し続けていくことになります。カードローン商品を提供する会社は、貸したお金を返してもらえないと事業を継続できないため、申込者が毎月返済し続けられる人かどうかを審査で見極めなくてはなりません。
また、消費者金融などの貸金業者のカードローンでは、総量規制に準じた審査も実施されます。
総量規制とは、貸金法上の貸金業者に対して利用者の年収の3分の1を超える貸付を禁止するルールです。例えば、年収が300万円の場合、貸金業者から借入れできるのは原則として100万円までと決まっています。
総量規制に該当すると法律違反となるため、審査で申込者の借入状況を確認する必要があります。そのため、カードローンには審査が必要となります。
銀行カードローンは「貸金業者からの借入れ」には該当しないため、総量規制の対象ではありませんが、各銀行は過剰な貸付とならないよう独自に融資上限を設けています。
カードローンの具体的な審査基準は明確にされていない
審査基準はカードローンによって異なりますが、具体的な基準は明らかにされていません。
融資の可否は、申込内容などをもとに各カードローン会社の基準で総合的に判断されます。そのため、審査に確実に通る方法を知ることはできません。そのため、「A社はB社より審査が甘い」などの比較もできません。
ただし、各カードローン会社は審査で「返済能力があるかどうか」を確認するため、カードローンによって審査項目が大きく異なるわけではありません。そのため、審査のおおまかな内容や審査項目を知り、対策をとることはできます。
カードローンにおける審査内容や審査項目
カードローンの審査項目は、主に「属性情報」と「信用情報」の2つです。
属性情報は、申込者本人に関する個人情報を指します。具体的には、カードローンの申込時に申告する以下のような情報です。
- ・性別
- ・年齢
- ・職業
- ・勤務先
- ・雇用形態
- ・勤続年数
- ・年収
- ・居住形態
など
ひとつの属性情報で審査結果が決まるわけではなく、上記のような情報から融資の可否が総合的に判断されます。ただし、各カードローン会社が設定している申込条件を満たしていない場合、審査には通過できません。
信用情報は、クレジットカードやローンの申込み、契約などの客観的な取引事実を登録した個人情報のことで、信用情報機関が管理しています。
各カードローン会社が審査の際に申込者の信用情報を照会し、問題がないかを確認する仕組みです。これまでの取引事実に問題がないことが分かると、「信用力がある」と判断できる材料になる場合があります。
また、審査では、属性情報・信用情報から他社の借入状況が把握され、借入額が多くないか、総量規制に該当しないかどうかの確認が行われます。
一般的なカードローン審査の流れ
商品によって違いはありますが、一般的に審査は以下の流れで進みます。
- 1.申込み
- 2.仮審査
- 3.必要書類の提出
- 4.本審査
- 5.本人確認や在籍確認
- 6.審査結果の通知
一般的に、審査は仮審査と本審査の2段階に分かれています。仮審査に通過しても本審査に通過するとは限らないため、注意が必要です。
各社によって異なりますが、審査では信用情報の確認や警視庁データベースの照会、在籍確認などが実施されます。
在籍確認は、申込者が申告した勤務先に在籍しているかどうかを確認することです。仮審査の際に実施される場合もあり、タイミングはカードローンによって異なります。また、本人や職場に確認の電話がかかってくる場合もあります。
カードローンの審査に通りにくいケース
融資の可否は総合的に判断されるため、確実に通過する方法を知ることはできません。ただし、以下のような場合は、一般的にカードローンの審査に通りにくくなります。
- ・申込内容や提出書類に不備や誤りがある
- ・安定した収入がない
- ・信用情報に問題がある
- ・総量規制に抵触している
- ・在籍確認が取れない
それぞれについて、くわしく解説します。
申込内容や提出書類に不備や誤りがある
「年収を多めに申告する」「他社からの借入れを実際より少なくする」などの嘘の申告はしないようにしましょう。
申込内容に虚偽があると確認に時間がかかるだけでなく、信頼性を損ない審査に通過できない可能性があります。
各カードローン会社は、信用情報や収入証明書類などから、申込者の年収や他社借入状況を把握できるため、虚偽の申告はしないほうが良いでしょう。
安定した収入がない
安定した収入がないと「返済能力がない」と判断され、カードローンを利用できない可能性があります。
審査で重要となるのは、収入の多さそのものよりも安定しているかどうかです。そのため、収入が高くても安定していなければ審査に落ちる場合があります。総合的に判断されるため一概にはいえませんが、例えば日雇いバイトの場合、収入が安定していないとみなされやすい傾向があります。
信用情報に問題がある
信用情報に金融事故を起こした記録が残っていると、審査に落ちる可能性が高くなります。審査に影響を与える可能性がある主な金融事故は、以下のとおりです。
- ・延滞情報(長期・直近・頻発)
- ・代位弁済
- ・強制解約
- ・債務整理など
これらの情報が登録される期間は、延滞などが解消してから5~7年と言われています。金融事故の記録が残っている間は、審査に通過できない可能性が高くなると考えられるため注意しましょう。なお、信用情報は開示請求をすればご自身で確認できます。
事故記載状況を解消しても借入当時の会社が抹消していないケースもあります。ご自身の信用情報は確認するようにしておきましょう。
総量規制に抵触している
すでに年収の3分の1の借入れがある方は、新たに申込んでも審査に落ちてしまいます。例えば、年収300万円の人がすでにA社で50万円、B社で50万円借入れしている場合、新たな借入れはできません。
総量規制の対象となるのは、消費者金融カードローンやクレジットカードのキャッシングなど貸金業法が適用される金融機関が提供する商品です。
一方、貸金業者に該当しない銀行などが行うローンや、信販会社の販売信用(クレジットカードでのショッピング)は総量規制の対象ではありません。総量規制が適用される借入れがいくらあるのかを把握したうえで申込みましょう。
なお、実際の利用限度額は審査によって決まるため、必ずしも総量規制の上限まで借入れできるわけではありません。
在籍確認が取れない
在籍確認が取れないと、審査を完了させられない場合があります。
在籍確認は、勤務先に電話をかける方法で実施されるのが一般的です。しかし、規模の大きい会社などでは、電話に出た人が申込者を把握していない可能性もあるでしょう。また、個人情報保護の観点から回答しない場合もあります。
在籍確認をスムーズに完了させるため、事前に電話がかかってくる旨を伝えておくなどの対策をとりましょう。
なお、在籍確認の電話に申込者本人が出られなくても問題はありません。申込者の在籍が確認できれば、本人が電話に出たかどうかにかかわらず在籍確認は完了します。
書類の確認をすれば電話での在籍確認をしない金融機関もあるため、不安がある場合は申込み前に問い合わせてみると良いでしょう。
カードローンの審査に通らなかった場合の対処法
カードローンの審査に落ちてしまったときに検討できる対処法を解説します。
- ・期間を空けて再申込みする
- ・ほかのカードローンに申込む
- ・クレジットカードのキャッシングを利用する
それぞれについて、くわしく解説します。
期間を空けて再申込みする
審査に落ちたカードローンに再度申込みをする場合は、一定期間が経過するまで待ちましょう。カードローンによっては、申込み後一定期間を経過しないと再申込みできないケースもあります。
また、一定期間経過していても、状況が何も変わらないまま再申込みすれば再度審査に落ちてしまう可能性が高いでしょう。年収が増えた、他社からの借入れが減ったなど良い変化があった場合は、再申込みをするのも選択肢のひとつです。
ほかのカードローンに申込む
審査基準はカードローンによって異なるため、申込先を変えれば審査に通過できる可能性があります。
ただし、同時に何か所も申込みをすると逼迫しているとみなされて審査に落ちやすくなります。絞って申込みましょう。
なお、申込みに関する情報は信用情報機関に6ヶ月間登録されます。半年間は審査に通りにくくなる可能性があるため、一定期間を空けて再申込みを検討すると良いでしょう。
ただし、総量規制に抵触している場合や信用情報に問題がある場合は、ほかのカードローンに申込んでも審査に通過するのは難しいと考えられます。
クレジットカードのキャッシングを利用する
カードローンの審査に落ちてしまった場合は、お持ちのクレジットカードにキャッシング枠が設定されていないかを確認しましょう。設定済みであれば、新たな申込み・審査なしで借入れができます。
ただし、未設定の場合は申込みと審査が必要となり日数を要するのが一般的です。1週間程度かかるケースもある点や、審査に通過できない場合は借りられない点に注意しましょう。
カードローンに申込む際の注意点
カードローンを利用すると、借りたお金に対する利用料として利息が発生します。そのため、以下の点に注意して申込みましょう。
- ・返済計画を立ててから申込みをする
- ・適用金利を確認する
- ・「審査なし」と宣伝する違法業者に注意する
それぞれについて、くわしく解説します。
返済計画を立ててから申込みをする
カードローンを利用すると、借入残高・金利・借入日数に応じた利息がかかります。
利息の額=借入残高×借入利率×経過日数/365日
カードローンの金利は、住宅ローンやマイカーローンなどの使い道が決まっているローンと比べると高めです。借入日数が長くなると利息の額も大きくなるため、事前に返済計画を立ててから借入れをしましょう。
返済計画を立てる際は、各カードローン会社が提供しているシミュレーションツールが活用できます。事前に利用し、毎月いくら返済すれば良いのか、いつ完済できるかなどを把握しましょう。
適用金利を確認する
カードローンの金利には幅があり、実際の適用金利は審査によって個別に決定されます。金利によって支払う利息が変わってくるため、契約時に適用金利を確認しましょう。
なお、カードローンの金利には法律による上限があります。
借入額 | 上限金利 |
---|---|
10万円未満 | 年20.0% |
10万円以上100万円未満 | 年18.0% |
100万円以上 | 年15.0% |
借入れの際は、法律の上限金利を超えていないか確認したうえで利用しましょう。
「審査なし」と宣伝する違法業者に注意する
「審査なし」と宣伝している業者は違法業者の可能性が高いため、注意してください。
審査は、申込者の返済能力を確認するために必要不可欠であり、避けられません。また、著しく事実と相違する、実際よりも著しく有利だと誤認させるような「誇大広告」は、貸金業法(第16条)で禁止されています。
カードローンを利用する際は、正規の登録を受けた業者であるかを確認したうえで申込みましょう。違法業者を利用すると、「法外な利息を請求され返せなくなる」「厳しい取立てを受ける」などのリスクがあるため、十分に注意してください。
セブン銀行カードローンは最短翌日に審査結果を通知
セブン銀行カードローンは、お申込みからご契約までアプリ完結でき、最短翌日に審査結果を通知できます。
ご契約後はセブン銀行ATMを利用し、原則24時間365日、スマートフォンアプリひとつで取引できます。そのため、審査結果の回答は最短翌営業日〜3営業日となっており、最短翌日のお借入れが可能です。
以下の条件を満たす方であれば、セブン銀行カードローンにお申込みいただけます。
- ・セブン銀行口座をお持ちのお客さま(個人)
- ・契約時の年齢が満20歳以上満70歳未満のお客さま
- ・一定の審査基準を満たし、当社指定の保証会社(アコム株式会社)の保証を受けられるお客さま
- ・外国籍の方は永住者であること
セブン銀行カードローンは、借入時・返済時ともに手数料無料で利用できるカードローンです。また、保証会社であるアコムの保証料も借入利息に含まれています。スピーディーに余計な負担を抑えてお借入れをしたい方は、ぜひご検討ください。
カードローンの審査内容や基準を確認してから利用しよう
カードローンの審査は、返済能力の有無を確かめる目的で必ず実施されます。審査基準はカードローンによって異なり、具体的な基準は明確にされていません。
一般的に、カードローンの審査でみられる項目は「属性情報」と「信用情報」です。審査に落ちる一般的な原因を知り、対策をすることで審査に通過する可能性を高めましょう。
- この記事の監修者
-
竹下 昌成 (たけした あきなり)
- ・大家業、TAC講師、竹下FP事務所代表
- ・CFP、宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、住宅ローンアドバイザーほか
- ・1971年生まれ。兵庫県西宮市在住。立教大学卒業後、地銀やノンバンク、住宅メーカーFPを経て現職。30歳から大家業をスタート、45歳でFIRE。年間家賃収入3,600万円。得意分野は住宅購入と不動産投資。
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