キャッシングとはどのようなサービス?利用するメリットや注意点を解説
急にお金が必要になったとき、キャッシング機能のあるクレジットカードがあれば、すぐにATMから現金を引き出すなどしてお金を借りられます。
クレジットカードでのキャッシングに近い形でお金を借りる方法は、カードローンもあります。場合によっては、カードローンでお金を借りるほうが適しているケースもあるため、状況に応じた選択が必要です。
本記事ではキャッシングとカードローンとの違いや、キャッシングのメリット、利用する際の注意点を解説します。キャッシングのサービス内容について知りたい人はぜひ参考にしてださい。
キャッシングとは借入れサービスのこと
キャッシングは、本来現金を借りられるサービス全般を指す言葉ですが、一般的にはクレジットカードに付帯する現金の借入れサービスを「キャッシングサービス」と称する場合が多いです。
クレジットカードには商品やサービスへの支払いに利用できるショッピング枠のほかに、キャッシング枠があります。手持ちのクレジットカードにキャッシング機能が付帯されていれば、提携ATMやCD(キャッシュディスペンサー)からクレジットカードを使って借入れが可能です。
また、クレジットカードを使って現金を引出す以外に、指定した口座へお金を振込んでくれるサービスもあります。
ただし、キャッシングで借りたお金には、返済までの日数で日割り計算した利息が発生するケースが一般的です。元金だけでなく利息の返済も必要になる点は覚えておきましょう。
キャッシング利用分の返済は、通常クレジットカードの引落とし日にショッピング利用分とともに引き落されます(一括払い)。このほかに、毎月一定額を支払う「リボ払い」を選択できるクレジットカードもあります。
キャッシングとカードローンの違いとは
カードローンでも提携のATMからお金を借りられますが、キャッシングとは以下の点が異なります。
- ・利用限度額
- ・負担する金利
- ・返済方法
利用限度額は、カードローンのほうが高く設定できる傾向があります。クレジットカードのキャッシングの上限は数十万円から百万円程度までのものが一般的です。これ対してカードローンは、数百万円の利用限度額が設定できる場合もあります。
ただし、利用限度額は審査によって利用者ごとに設定されるため、誰でも高額な借入れができるとは限りません。
クレジットカードのキャッシングの金利は、15~18%程度です。これに対し、カードローンの金利は、利用するローン会社や設定された利用限度額によって、1%台~18%程度です。幅はありますが、一般的にカードローンのほうが金利は低い傾向があります。
さらにキャッシングとカードローンでは、返済方法も異なります。
キャッシングの場合は、返済はショッピング利用分の引落としと同時に口座引落しで行われるのが一般的です。このほか、ATMでの支払いや口座振込での返済が選択できる場合もあります。
カードローンの場合は、所定の期日に口座引落しで返済する方法(約定返済)のほか、期日前にも任意のタイミングでATMへの入金や口座振込により繰上返済できるのが一般的です。
キャッシングとカードローンの双方にメリットや注意点があるため、それぞれの特長を踏まえ、自分にあったサービスを選びましょう。
キャッシングでお金を借りるメリット
クレジットカードのキャッシングでお金を借りる場合、次のメリットがあります。
- ・キャッシング枠が設定されていれば即日で借りられる
- ・海外キャッシングができるクレジットカードもある
それぞれについて、くわしく解説します。
キャッシング枠が設定されていれば即日で借りられる
カードローンは、初回利用時に審査を受ける必要があります。審査に時間がかかると、申込んだ当日には融資は受けられません。審査が比較的早く済むカードローンもありますが、本人確認書類の提出など手間がかかります。
一方、クレジットカードのキャッシングは、クレジットカードの申込時にキャッシング枠の設定を申込んでいれば、キャッシング枠の審査が行われたうえでカードが発行されています。そのため、手持ちのクレジットカードを使って、すぐにお金を借りられます。
ただし、クレジットカードにキャッシング枠が設定されていなければ、カードローンと同様に審査が必要で、すぐにお金を借りられないため注意しましょう。
海外キャッシングできるクレジットカードもある
クレジットカードのなかには、海外でのキャッシングに対応しているカードもあります。海外キャッシングに対応したカードなら、海外の提携ATMから現地通貨を引出して使えます。
通貨を両替する手間もなく、海外で手持ちが不足したときに便利なサービスです。
キャッシングでお金を借りる際に気を付けること
キャッシングでお金を借りる際は、次の事柄に気を付けておきましょう。
- ・キャッシングするとショッピングで使える枠が減る
- ・クレジットカードのポイントは付与されない
それぞれについて、くわしく解説します。
キャッシングするとショッピングで使える枠が減る
クレジットカードのキャッシング枠は、ショッピング枠のなかに含まれるため、キャッシングでお金を借りると、その金額分だけショッピングで使える金額が減少します。
たとえばショッピング枠50万円、キャッシング枠10万円のカードで10万円キャッシングした場合、ショッピング枠は40万円までしか使えません。
キャッシングを使いすぎると、普段の買い物で利用枠が不足して決済できなくなるおそれもあるため注意しましょう。
クレジットカードのポイントは付与されない
ほとんどのクレジットカードには、利用金額に応じてポイントが付与される特典があります。
このポイントはクレジットカードを使う大きなメリットですが、ポイントが付与されるのは基本的にショッピング利用分が対象です。キャッシング利用分にはポイントが付与されないため注意しましょう。
なお、カード会社独自のキャンペーンで、キャッシングを利用するとポイントがもらえるサービスを実施している場合はあります。
キャッシングでお金を借りるほうが向いていると考えられるケース
クレジットカードにキャッシング枠が設定されている場合、少額の借入れや短期間の借入れ、今すぐ現金が必要なときには、カードローンを新たに契約するよりもキャッシングで借りるほうがスムーズです。
借りる金額が少額な場合
カードローンの契約がなく、借りる金額が数万円程度なら、クレジットカードでキャッシングしたほうが手間なく借りられます。
一般的にカードローンのほうが金利は低い傾向がありますが、借入額が小さければクレジットカードのキャッシングとそれほど差はつきません。手続きの手間を重視するなら、キャッシングを利用したほうがよいでしょう。
短期間で返済する目処が付いている場合
「近々臨時収入がある」「もうすぐボーナスを受け取れる」など、短期間で返済できる目処が付いているなら、多少金利が高くてもそれほど大きな差にはなりにくく、キャッシングのほうがスムーズにお金を借りられるケースが多いといえます。
今すぐ現金が必要な場合
カードローンの新規利用時には、審査が必須です。外出先ですぐに現金が必要なときもキャッシングのほうが向いています。ただし、キャッシング枠が設定されているクレジットカードであることが前提です。
また、海外キャッシングに対応しているクレジットカードなら、旅行やビジネスで国外にいるときもすぐに利用できます。
キャッシングの利用方法
クレジットカードでキャッシングする場合の、借入方法と返済方法を解説します。
借入方法
キャッシングで借入れを行う場合は、クレジットカードを使って提携のATMやCDから現金を引出します。
クレジットカードによっては、指定口座への振込依頼ができるサービスもあります。電話やインターネット、専用アプリなどから手続きすれば、どこからでも借入れができる便利なサービスです。
返済方法
キャッシングで借りたお金は、一括(1回払い)または分割(リボ払い)で返済するのが一般的です。
1回払いでは、締め日までの借入額と利息をあわせた金額が、クレジットカードでのショッピング利用分と一緒にまとめて口座引き落されます。リボ払いの場合はあらかじめ設定した一定額が所定の期日に口座から引落され、その後複数回に分割して返済していきます。
また、リボ払いでは、ATMやインターネットなどから繰上返済(追加支払)ができる場合もあります。早く返済するほど利息負担を軽減できるため、余裕ができたときは繰上返済を検討しましょう。
キャッシングで借入れる際の注意点
キャッシングでお金を借りるときは、次の点に注意しましょう。
- ・キャッシングは総量規制の対象になる
- ・高額・長期の借入れには向いていない
- ・リボ払いだと返済が進まないことがある
それぞれについて、くわしく解説します。
キャッシングは総量規制の対象になる
クレジットカードのキャッシング枠は総量規制の対象になります。
総量規制とは、返済能力を超えた貸付を防ぐため、年収の3分の1を超える金額を貸してはならないとする貸金業法の規制です。すでに年収の3分の1にあたる借入残高があると、クレジットカードでショッピングはできても、キャッシングは利用できないので注意しましょう。
高額・長期の借入れには向いていない
クレジットカードのキャッシングで借りられる金額の上限は、多くても100万円程度が一般的です。また、長期間借入れる予定なら、利息の負担が重くなる場合もあります。
借入れの目的や金額、期間によっては、ほかのローン商品を使うほうが合理的な場合があります。借入れが必要なときは、他のローン商品が利用できないかも確認しましょう。
リボ払いだと返済が進まないことがある
リボ払いで月々の返済額が少額の場合、返済額のほとんどを利息が占め、元金の返済がなかなか進まないことがあります。返済が長期化すれば、その分だけ支払う利息も多くなってしまいます。
リボ払いを利用する場合には、返済計画をしっかり立てて利用し、余裕のあるときには追加返済して、返済期間をなるべく短くしましょう。
カード会社のホームページでは、返済にかかる期間と支払う利息をシミュレーションできる場合があります。シミュレーションも活用し、計画的に利用することが大切です。
セブン銀行カードローンならカードレスで借入れ・返済が可能
キャッシングは即日借入れができる点がメリットですが、利用限度額が限られる、金利が高いといったデメリットもあります。まとまった金額をより低い金利で借りたい人は、カードローンの利用も検討しましょう。
セブン銀行カードローンは、いつでも申込みができ、翌日〜3営業日程度で審査結果がわかります。
カード到着前でもアプリから借入れが可能で、全国のセブン銀行ATMから、原則24時間365日ご利用いただけます。
月々の返済は毎月27日にセブン銀行口座から自動引落しされるほか、任意のタイミングでも返済が可能です。返済時の手数料も無料で、余裕のあるときにセブン銀行ATMやダイレクトバンキングサービスから返済できます。
また、セブン銀行カードローンでは、3つの質問に答えるだけでお借入れが可能かどうかを診断できる「お借入診断」を提供しているので、借入れの前にご利用ください。
便利に使えて返済方法を選べる、セブン銀行カードローンをぜひ、ご検討ください。
すぐにお金を借りられるクレジットカードの便利な機能
キャッシングとは、一般的にクレジットカードに付帯されるキャッシング機能のことをいいます。
手持ちのクレジットカードにキャッシング機能が付いていれば、審査不要ですぐにお金を借りられる点がメリットです。ただし、他のローン商品よりも金利が割高、利用限度額が限られる、ショッピング枠を圧迫してしまうといったデメリットもあります。
あらかじめ借入期間や利息がどのくらいになるかを把握し、しっかりと返済計画を立てて利用することが大切です。場合によっては、キャッシング以外の方法でお金を借りるほうが合理的なケースもあるため、状況に合わせて適した方法を選びましょう。
- この記事の監修者
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竹国 弘城(たけくに ひろき)
RAPPORT Consulting Office (ラポール・コンサルティング・オフィス)代表
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1級ファイナンシャルプランニング技能士、CFP®
名古屋大学工学部機械・航空工学科卒業。証券会社、生損保代理店での勤務を経て、ファイナンシャルプランナーとして独立。お金に関する相談や記事の執筆・監修を通じ、自身のお金の問題について自ら考え、行動できるようになってもらうための活動を行う。ミニマリストでもあり、ミニマリズムとマネープランニングを融合したシンプルで豊かな暮らしを提案している。趣味はサウナ(サウナ・スパプロフェッショナル)。