滞納している借金や税金を払えないときの対処法は?未払いで起きることなども解説

借金や家賃、社会保険料、税金などを滞納して払えない状態だと、さまざまな不利益が起こり得ます。滞納があるときは、何ができるかを考えて解決を図りましょう。

本記事では滞納して払えない場合に起こることや対処法、滞納で困っていてもやってはいけないことを解説します。

カードローンでお金を借りて滞納を解消させる方法もありますが、計画的に利用しなければなりません。安易な借入れはかえって現状を悪化させる恐れがあるため、慎重な判断が重要です。

滞納したときは早めに、適切な方法で解決しましょう。

各種支払いや借金の返済を滞納すると起きること

クレジットカードや公共料金、税金の支払い、借金の返済などを滞納すると、さまざまな問題が発生します。各種支払いや借金の返済を滞納した場合に起こることを解説します。

催促や督促を受ける

税金、借金などを滞納すると、払うべきお金が支払われていない旨が通知され、速やかに対処するよう催促や督促が入ります。催促や督促をされたら、早めの対処が重要です。

また、奨学金や家賃、ローンの支払いを滞納した場合、連帯保証人がいる場合には、連帯保証人にも連絡が入ります。連帯保証人に滞納を知られるだけでなく、連帯保証人にも、催促や請求が行われます。

延滞金の支払いや契約解除、一括返済を求められる

滞納が続くと、金額や期間に応じた延滞金の支払いや契約の解除、一括返済を求められる場合があります。

いずれも滞納しなければ負わずに済んだ負担です。滞納しないように収支管理に注意し、滞納した場合は早めに解決しましょう。

支払いを滞納したサービスが利用できなくなる

公共料金や通話料などの支払いを滞納した場合、各種サービスの提供が中止されます。家賃の滞納を続けた場合は、契約解除されて物件の明渡しを迫られる可能性もあるでしょう。

必要なサービスを利用できず、生活上の不便を抱えてしまいます。

財産の差押さえや訴訟を起こされる

督促されても支払わずに滞納を続けると、財産の差押えや訴訟を起こされる場合があります。給与や銀行預金、家財、車など、差押さえられたものは、自由に使用できなくなります。

ローンやクレジットカード、賃貸契約での審査に影響する

信用情報機関ごとに条件は異なりますが、滞納すると一定期間、信用情報に記録されます。滞納歴があると、今後新しくローンやクレジットカード、賃貸物件を契約する際の審査に影響を及ぼす可能性があります。

「過去に滞納があると審査に落ちる」とはいい切れませんが、不利に働くのは避けられません。審査に通過しても、希望通りの内容で契約できない場合もあります。

各種支払いや借金を滞納して払えない場合の対処法

借金や税金を滞納して払えない場合の対処法には、次の方法が挙げられます。

  • 該当窓口に対処方法を相談する
  • 家計の状態を見直して支払い・返済に充てるお金を増やす
  • 所持品を売却してお金を用意する
  • カードローンなどでお金を借りる
  • 債務整理を検討する

状況によって適した方法が異なるため、以下でくわしく解説します。

該当窓口に対処方法を相談する

滞納して払えない場合、内容や状況に応じた相手と相談しましょう。一例ですが、以下の相談先が考えられます。

  • 税金や社会保険料なら行政の窓口
  • 借金なら借りている金融機関
  • 家賃なら大家や管理会社

税金は支払いが困難な場合、分割納付が認められる場合もあります。また、分割納付も難しい状況にあると判断されれば猶予制度を利用できるケースもあるでしょう。いずれも税務署や市町村窓口に相談して、必要な手続きを取ります。

家賃の滞納なら、大家や管理会社に事情を説明し、支払いを待ってもらえないか相談しましょう。

クレジットカードやローンで多重債務に陥っているなら、日本クレジットカウンセリング協会も相談先のひとつです。公衆電話を除き全国どこからでもかけられる「多重債務ほっとライン」が用意されています。

奨学金も、借りている機関に相談すれば、月々の返還額を少なくしたり猶予をもらえたりするため、まずは確認しましょう。

家計の状態を見直して支払い・返済に充てるお金を増やす

滞納は収入に対して支出が多いと発生します。滞納して払えない状態にあるなら家計を見直し、問題を解消しましょう。

しかし、給与が増える場面は限られます。副業や家計を共にする家族に働いてもらって、収入を増やせないか考えましょう。

また、月々の支出を見直して節約し、支払いに回せるお金を増やす工夫も必要です。出費が多い原因を把握し、出費を減らせないか確認しましょう。

所持品を売却してお金を用意する

所持品を売却して支払いにあてるお金を工面する方法もあります。貴金属やブランド品、高価な電子機器などは、高値で買取られる場合もあるため、検討しましょう。

ただし、滞納している金額によっては、所持品の売却だけでは解決できない場合もあります。「とりあえず利息分を支払うためにお金を工面している」といった状態では、根本的な問題解決になりません。

滞納があって払えないときは、状況にあった対処法で解決を図りましょう。

カードローンなどでお金を借りる

カードローンやキャッシングは審査が早く済むところも多く、返済能力に応じたまとまった金額を借りられます。

しかし、滞納している状況でカードローンなどを利用する場合は、通常よりも極めて慎重に考えなければなりません。現在の滞納に加えてカードローンなどの返済も滞れば、状況をさらに悪化させます。

返済のために借入れを繰り返す状態は、根本的な解決になりません。また、滞納している状態だと、カードローンなどの審査に通過できない可能性もあります。

債務整理を検討する

滞納を解消させる目処が立たず、返済のために借金する状態に陥っているなら、弁護士や司法書士に依頼して債務整理を行うことも選択肢のひとつです。

債務整理には、大きくわけて自己破産と任意整理の方法が存在します。自己破産とは、裁判所に申立てをして債務の免責をもとめる方法です。

任意整理とは、個別に債権者と裁判外で交渉をし、利息のカットや可能な範囲での債務の分割払いをもとめる方法です。自己破産や任意整理などを行えば信用情報に記録されますが、生活を立て直せます。

ただし、債務整理は滞納して払えない場合の最終手段です。信用情報に記録されるなどのデメリットも存在するので、支出の見直しや所持品の売却などで滞納を解消できないか、十分に確認してから判断しましょう。

滞納があるときにやってはいけないこと

滞納があってお金に困っていても、以下のことには注意してください。

  • 催促や督促を無視する
  • 違法な業者から借りて借金を返済する
  • クレジットカードでショッピング枠を現金化する

これらは、新たな問題を生み、状況を悪化させてしまいます。

催促や督促を無視する

催促や督促の連絡が入っても何もしないで放置していると、支払う意思がないと相手に受取られます。また、裁判所からの支払督促を無視すると、強制執行を受ける場合もあります。

滞納して催促や督促の連絡が入ったときは内容を確認し、速やかに対処しましょう。

違法な業者から借りて借金を返済する

滞納を解消するためにお金を借りる場合、審査に通りにくい可能性があります。しかし、借りられなくて困っていても、違法な業者を利用してはいけません。

「誰でも簡単に借りられる」「借入前の審査なし」といった触込みをしている業者は違法な業者である可能性があります。こうした業者からお金を借りると、違法な金利を請求されたり、厳しく返済を求められたりするなど、トラブルに巻込まれる恐れがあります。

滞納していてお金を用意できない状況にあっても、違法な業者とは関わらないようにしましょう。

クレジットカードでショッピング枠を現金化する

金券や高価な商品をクレジットカードで購入して売却すれば、お金を借りられなくても手元に現金を用意できます。しかし、クレジットカードの誤った使い方であり、規約違反に該当する方法です。

後日、高額な購入代金を請求されて支払いに困るだけでなく、クレジットカード会社からペナルティを受ける恐れもあるでしょう。

滞納があっても、誤った方法で現金を用意してはいけません。携帯電話のキャリア決済も同様です。

滞納した際にカードローンを利用するデメリット

借金を返済できず、お金を用意できなくてカードローンから借りても、結局はカードローンによる借入を返さなければなりません。

返済目処が立たない状態で利用すると、新たな滞納を発生させてしまいます。借金を返すためにくり返しお金を借りている状況では、根本的な解決になりません。

そのような状態にあるときは、ほかの方法で対処しましょう。

カードローンを利用する際は計画的に利用する

カードローンは計画的な利用が大切です。

  • 利息を含めた返済額はいくらか
  • 家計の収支は毎月問題なく返済できる状態か
  • 完済までにかかる期間はどれくらいか

以上の事柄をよく考えたうえで、返済計画を立てて利用しましょう。

カードローン会社のホームページでは、簡単な返済シミュレーションを用意しているところもあります。金額や期間をシミュレーションし、返済計画を立てる際に役立てましょう。

セブン銀行カードローンはいつでも申込可能

セブン銀行カードローンは、スマートフォンアプリから24時間いつでも申込みできます。審査結果は翌日~3営業日程度で連絡が入り、カード到着前でもアプリで借入れが可能です。

返済額は前月の約定返済日時点の残高に応じて一定額のため支出管理しやすく、セブン銀行の普通預金口座からの毎月27日に自動引落しで返済するため、残高不足にならないよう入金さえしておけば、払い忘れて滞納する心配もありません。また、余裕のあるときに随時返済もできます。

セブン銀行ATMとダイレクトバンキングから借入方法が選べます。金利はかかりますが、セブン銀行ATMでの借入れなら手数料はかかりません。返済時の手数料も無料で利用できます。

滞納して払えない場合は早めに適切な方法で対処しよう

滞納があって払えない状態に陥ると、さまざまな不利益が発生します。滞納して払えない状態にあるなら、各種窓口に相談して分割納付や猶予制度が使えないか相談しましょう。

カードローンでお金を借りるのも方法のひとつですが、利用には審査が必要です。また、計画的に利用しないと問題を解決できません。

滞納があるときに督促を無視したり、違法な業者から借入れたりすると、状況を悪化させます。そして借りる手段がないからといって、クレジットカードを現金化することは規約違反でペナルティが発生するリスクがあるばかりか、かえって返済負担を増す方法です。

滞納して払えない状態になっている場合は、専門家に依頼をして債務整理をすることも視野に入れ、早めに適切な方法で対処することが大切です。

この記事の監修者

坂根 賢(さかね けん)

滋賀県出身。京都大学経済学部、京都大学法科大学院卒業。東京の外資系大手法律事務所にて、M&A、不動産取引、証券発行、危機管理等を含む国内外の幅広い企業法務案件を取り扱う。大阪にて独立後は、企業法務案件だけではなく、一般民事訴訟、労働事件、家事事件、債務整理案件、交通事故案件、インターネット案件、刑事事件等、個人の方の相談についても幅広く取り扱っている。2019年4月より京都大学法科大学院の非常勤講師を兼任。」