引越しにかかる費用の仕組みや相場は?知っておきたいことや出費を抑える方法も紹介
引越しは業者に依頼すると費用がかかりますが、その仕組みを理解しておくことで出費を抑えられる可能性があります。
また、引越し費用は業者によって異なるものの、相場を知っておくと目安がわかるため、予算も立てやすいでしょう。
本記事では引越しにかかる費用の仕組みや相場を解説するほか、費用に関する知っておきたいことや、費用を抑える方法も紹介します。引越し費用が足りない場合の対処法も紹介するので、引越しを考えている方はぜひ参考にしてください。
引越しにかかる費用の仕組み
引越しにかかる費用は大きく「基準運賃」「料金」「実費」「付帯サービス料」の4つから構成されます。
費用 | 内容 |
---|---|
基準運賃 |
実際に荷物を運んだ時間または距離で基準運賃が定められており、時間制(4時間または8時間)と距離制の2種類がある。
|
料金 | 荷主の要請で車輌を留め置く場合にかかる「車両留置料」のほか、休日や深夜・早朝の割増料金などが該当する。 |
実費 | 荷役・荷造り作業員費用や諸資材料など、実費負担として定められた費用。 |
付帯サービス料 | エアコンの取り付けや家具の防虫・消毒など、業者独自のオプションサービス料。 |
引越し費用は上記の費用の合計で計算されるので、覚えておきましょう。
引越し費用=基準運賃・料金+実費+付帯サービス料
なお、基準運賃は、使用車両の最大積載量と運送時間または距離に対応して定められており、状況に応じて休日、深夜・早朝料金が加算されます。基準運賃に関しては後述しているので、そちらも参考にしてください。
一人暮らしと家族の引越しにかかる費用の具体例
ここでは、引越しにかかる費用の具体例を紹介します。引越し費用は荷物量や引越し先までの距離などによって異なるため、一人暮らしと3~4人家族を例に、100km程度の引越しを行った場合と仮定します。
なお、引越し費用は業者によっても異なるため、あくまでも一例として参考にしてください。
一人暮らしの引越し費用
一人暮らしの引越しは荷物がそれほど多くないため、2tトラック1台と運転手1名、作業補助1名での引越しと仮定します。
100km以内のため、基準運賃は時間制が採用されます。時間制の目安料金は以下のようになります。
- ・4時間制:13,000円~20,000円程度
- ・8時間制:22,000円~34,000円程度
人件費を1人につき15,000円とした場合、運転手と作業員の人件費(実費)として30,000円かかるため、最低でも、4時間制なら43,000円、8時間制なら52,000円かかります。
上記のほかに、状況に応じて車両留置料や各付帯サービス料などが発生するため、一人暮らしの引越し費用は、50,000円~60,000円程度と考えましょう。
家族の引越し費用
3~4人家族の引越しは荷物がある程度多くなることが予想されるため、4tトラック1台と運転手1名、作業員2~3名と仮定します。基準運賃は時間制となり、目安料金は以下のとおりです。
- ・4時間制:16,000円~24,000円程度
- ・8時間制:26,000円~40,000円程度
仮に人件費を1人につき15,000円とした場合、運転手1名と作業員2~3名の人件費(実費)として45,000円~60,000円かかります。
荷物が少なく、4時間制かつ作業員2名で抑えた場合でも、最低で60,000円程度の費用が必要です。荷物が多く、8時間制かつ作業員が3名必要な場合は、最低でも85,000円程度かかります。
上記のほかに、状況に応じて車両留置料や各付帯サービス料などが発生するため、3~4人家族の引越し費用は、最低でも100,000円程度かかると考えておきましょう。
なお、家族の引越しは、一人暮らしの引越しに比べて付帯サービスを利用するケースが増える場合があります。主な付帯サービスは、以下のとおりです(※1)。業者によって異なるため、あくまでも目安として参考にしてください。
サービス | 料金目安 |
---|---|
ピアノ運送 | 40,000円~50,000円(100km以内) |
乗用車運送 | 25,000円~35,000円(100km以内) |
冷暖房器具の取り外し | 5,000円~15,000円 |
冷暖房器具の取り付け | 15,000円~25,000円 |
- ※1引用元:関東運輸局
引越しの費用に関して知っておきたいこと
引越し費用は業者によっても異なりますが、基本的には荷物量と距離、時期が大きく影響します。引越し費用に関して知っておきたいことを紹介します。
引越しにかかる時間と距離によって費用が変化する
引越し費用に大きく影響を与えるのが基準運賃です。前述したように、基準運賃は使用車両の最大積載量と運送時間または距離に応じて定められており、100km以内であれば時間制、100kmを超える場合は距離制が採用されます。
基準運賃は地域によって異なりますが、近畿運輸局が公表している時間制の料金例は以下のとおりです。
2トン車まで | 4トン車まで | 5トン車まで | ||
---|---|---|---|---|
4時間制 | 上限 |
20,360円 |
24,000円 |
26,900円 |
下限 |
13,580円 |
16,000円 |
17,940円 |
|
8時間制 | 上限 |
33,970円 |
40,010円 |
47,090円 |
下限 |
22,650円 |
26,670円 |
31,390円 |
|
8時間を超え1時間増すごと | 上限 |
3,410円 |
3,890円 |
4,670円 |
下限 |
2,270円 |
2,590円 |
3,110円 |
一方、距離制の基準運賃の料金例は以下のようになります。
2トン車まで | 4トン車まで | 5トン車まで | ||
---|---|---|---|---|
100kmを超え110kmまで | 上限 |
37,560円 |
42,740円 |
51,970円 |
下限 |
25,040円 |
28,500円 |
34,650円 |
|
140kmを超え150kmまで | 上限 |
43,850円 |
49,940円 |
60,720円 |
下限 |
29,230円 |
33,300円 |
40,480円 |
|
190kmを超え200kmまで | 上限 |
51,720円 |
58,910円 |
71,620円 |
下限 |
34,480円 |
39,270円 |
47,740円 |
|
以降20km増すごとに(500kmまで) | 上限 |
2,760円 |
3,160円 |
3,860円 |
下限 |
1,840円 |
2,100円 |
2,580円 |
|
500km以降50km増すごとに | 上限 |
6,940円 |
7,870円 |
9,640円 |
下限 |
4,620円 |
5,250円 |
6,420円 |
なお、休日割増や深夜・早朝割増は、基準運賃に休日なら2割、深夜・早朝なら3割を加えてこれらの上下10%の範囲内となっています。
引越し費用は時期によって異なる
引越し費用は2〜4月の繁忙期になると大きく変動し、高額になる場合があります。
特に3月、4月は入学や新卒の入社時期と重なるため、費用が高くなりやすく、予約も取りにくくなる傾向があるので、引越しを検討する際は把握しましょう。
引越しにかかる費用を安く抑えるポイント
引越しを業者に依頼する際にいくつかのポイントを押さえることで、費用を抑えることができます。引越しにかかる費用を抑えるポイントを紹介するので、費用を抑えて引越しをしたい場合は確認してください。
複数社から見積もりをとる
先述したように、引越し費用は業者によって異なるため、数社から見積もりをとって、比較することがおすすめです。
見積もりの際は、業者に直接訪問してもらい見積もりを依頼しましょう。電話やインターネットのみで見積もりを済ますと、当日に思いがけない費用が発生してしまう可能性があります。料金だけでなく、丁寧さや作業日程の都合などトータルで考えたいところです。
繁忙期を避ける
先述したように、繁忙期は費用が割高になる傾向があります。そのため、費用を抑えたいのであれば繁忙期を避けて引越しを行うことがおすすめです。
また、繁忙期は予約も取りづらい可能性があるため、繁忙期を避けたほうが引越し自体もスムーズに行えるでしょう。
早めに準備をして不要なものは捨てておく
引越しが決まっているのであれば、早めに準備を始めて、不要なものは事前に処分しましょう。
引越しは荷物の量によっても費用が異なります。荷物を少なくすれば、その分基準運賃が安くなります。また、引越し自体の時間も短くなったり、作業員の人件費も抑えられたりする可能性もあります。
一方、多少の荷物の量で引っ越し料金が変わらない場合もあります。その場合は粗大ゴミの処分費用を引越し前後で比較することも有効です。
補助金を利用する
引越し先の自治体によっては、移住支援補助金や、結婚新生活支援事業に関する補助金など引越しに補助金を利用できる場合があります。
補助金を受けられれば費用を抑えることができるので、引越し先の自治体が補助金制度を実施していないかを確認すると良いでしょう。
ただし、補助金は誰でも活用できるわけでなく、適用条件が決まっているため、事前に内容を確認してください。
引越し費用が足りないときの対処法
引越し費用は抑えることが可能ですが、最低限のお金は必要です。人によっては、引越し費用が足りないことがあるかもしれません。
以下で、引越し費用が足りないときの対処法を紹介するので、参考にしてください。
クレジットカードを活用する
引越し業者にもよりますが、引越し費用はクレジットカードで支払える場合があります。クレジットカードは後払いとなるため、支払日までの猶予を作ることが可能です。
また、クレジットカードにはキャッシング機能も付帯しているので、キャッシングが利用できる方であれば、キャッシングで一時的に借入れを行うこともできます。
ただし、クレジットカードのキャッシング機能は、キャッシング枠を設定していなければ利用できないので注意が必要です。
引越しローンを利用する
引越し費用が足りなさそうな場合は、金融機関の引越しローンを利用することもひとつの方法です。
引越しローンは、クレジットカードのキャッシングに比べて金利が低い傾向にあるため、キャッシングで借入れするより返済の負担も軽減できます。
ただし、引越しローンの契約には審査があるため、融資を受けるまで一定の期間が必要です。引越しローンの利用を検討する方は、早めに申込みをして審査を受けることをおすすめします。
カードローンを利用する
引越し費用が足りないときは、カードローンを利用するのもひとつの手段です。カードローンは、基本的に事業性資金以外であれば使い道が自由なため、引越し費用にも利用できます。
カードローンを利用すれば引越し費用や引越し後の足りない分を補うことが可能です。借入先によっては最短当日や翌日に融資を受けることもできるため、引越しの数日前に申込みをしても、融資を受けられる可能性があります。
ただし、カードローンは利息がかかるため、金利や返済金額を確認して、無理のない返済計画を立ててから計画的に利用しましょう。また、審査結果によっては、希望する金額を借入れられない場合もあります。
引越し資金の不足を補うならセブン銀行カードローンがおすすめ
セブン銀行カードローンは、金利が最大15.0%(実質年率)で、利用ができます。
また、月々の返済のほかに任意で繰り上げ返済もできるため、余裕があるときは多めに返済して、早期返済を目指すことも可能です。
セブン銀行カードローンのお申込みにはセブン銀行の口座が必要ですが、Myセブン銀行(スマートフォンアプリ)からの口座開設であれば、口座を新規開設してから最短翌日に融資を受けられます。そのため、急にお金が必要になったときも対応できます。
カードローンの利用を考えている方は、スマートフォンでお申込みからお借入れ、ご返済まで完結するセブン銀行カードローンをご検討ください。
引越し費用の相場や仕組みを把握して余計な出費を抑えよう
引越し費用は、「基準運賃」「料金」「実費」「付帯サービス料」の合計で決まります。引越し費用に大きく影響を与える基準運賃は、荷量や距離などで異なるので、事前に確認しましょう。
また、引越し業界の繁忙期となる2月~4月は、費用が高くなる傾向があるため、費用を抑えたいのであれば繁忙期を避けることがおすすめです。
そのほか、引越しが決まっているのであれば、できるだけ荷物を減らしておくことも費用を抑える方法のひとつなので、早めに準備を始めて不要なものは処分しましょう。
また、引越し費用が足りない場合は、引越しローンやカードローンを検討してはいかがでしょうか。
セブン銀行カードローンの金利は最大15.0%で、月々固定の返済額となるため、無理なく計画的な返済ができます。カードローンの申込みを考えている方は、ぜひセブン銀行カードローンをご検討ください。
- この記事の監修者
-
竹下 昌成 (たけした あきなり)
- ・大家業、TAC講師、竹下FP事務所代表
- ・CFP、宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、住宅ローンアドバイザーほか
- ・1971年生まれ。兵庫県西宮市在住。立教大学卒業後、地銀やノンバンク、住宅メーカーFPを経て現職。30歳から大家業をスタート、45歳でFIRE。年間家賃収入3,600万円。得意分野は住宅購入と不動産投資。
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