カードローンを借り換えるメリット・デメリットは?おまとめローンとの違いも解説

カードローンの借り換えとは、借入先を変更することです。B社から新たに借入れしたお金でA社の借入残高を返済し、その後はB社に返済を行います。

契約中のカードローンの金利が高い方や毎月の返済に負担を感じている方は、借り換えによって負担を軽減できる可能性があります。

本記事では、カードローンの借り換えのメリット・デメリットと借り換え先の選び方をまとめました。また、借り換えたほうがいい方・借り換えないほうがいい方も説明します。

借り換えるかどうか迷っている方、借り換えで返済の負担を軽減したい方はぜひ役立ててください。

カードローンの借り換えとは

カードローンの借り換えとは、新たにカードローンで借入れし、そのお金で現在の借入残高を返済することです。具体的には、以下のような手順で行います。

  • 1.B社から新たに借入れをする
  • 2.B社から借りたお金でA社からの借入れ分を完済する
  • 3.B社に返済を開始する

現在よりも金利の低いローンに乗り換えることで、返済の負担を軽減できる可能性があります。

カードローンの借り換えとおまとめローンの違い

借り換えと似た言葉に「おまとめローン」があります。

おまとめローンは、複数社からの借入れをひとつにまとめるローンです。

一方、借り換えには1社から1社に変更する場合だけでなく、2社以上からの借入れを1社にまとめる場合も含まれます。つまり、おまとめローンは借り換えのひとつです。

ただし、「借り換え」は1社から1社に、「おまとめローン」は2社以上から1社に変更することを指すのが一般的です。

なお、カードローンを提供している金融機関のなかには、おまとめ専用のローンを提供しているところがあります。おまとめ専用ローンの中には借入の一本化による完済を目的とし、借入後は返済のみを行うものもあります。追加の借入ができない場合もありますので注意しましょう。

2社以上からの借入れをまとめて完済したい方は、おまとめローンの利用も候補のひとつとなるでしょう。

カードローンを借り換えるメリット

カードローンを借り換える際は、新たなカードローンへの申込みが必要です。手続きの手間はかかりますが、カードローンをうまく借り換えれば返済負担を抑えられる可能性があります。カードローンを借り換える主なメリットは、以下の通りです。

  • 利息を抑えられる可能性がある
  • 毎月の返済額を下げられる可能性がある
  • 複数社から借入れしている場合は管理しやすくなる

利息を抑えられる可能性がある

カードローンの借り換えで今よりも適用金利が低くなれば、利息を軽減できる可能性があります。

たとえば、金利年18.0%で借入れしている方が借り換えで金利年15.0%に下がれば、今よりも低い金利での返済が可能です。

利息の負担が減ると、元金に充てられるお金が増え、返済期間を短縮できる可能性もあります。

毎月の返済額を下げられる可能性がある

カードローンによって返済方式が異なるため、同じ金額を借りても毎月の返済額に違いが生まれます。利用中のカードローンで毎月の返済に負担を感じている場合は、借り換えで返済額を下げられる可能性があります。

毎月の返済額が下がり余裕ができれば、追加(任意)返済も可能になるかもしれません。

複数社から借入れしている場合は管理しやすくなる

借入れが複数ある場合、借り換えでひとつにまとめれば返済日が月1回になります。返済日が月に数回あると、管理が煩雑になり返済忘れが起きかねません。入金を忘れて返済日を過ぎてしまうと、信用情報に傷がついたり、遅延損害金が発生するなどのリスクがあります※。

複数の借入れを一本化すれば、返済日や返済方法がまとまるため、返済忘れの防止につながるでしょう。借入先がひとつになるので、借入残高や利息額などの借入状況も把握しやすくなります。

  • 遅延損害金とは、返済に遅れた場合に支払う賠償金です。

カードローンを借り換えるデメリット

カードローンの借り換えは返済負担を軽減する方法のひとつですが、デメリットもあります。以下の点を踏まえたうえで借り換えを検討しましょう。

  • 総返済額が下がるとは限らない
  • 審査を受けても借り換えができるとは限らない

総返済額が下がるとは限らない

利用中のカードローンより低い金利で借り換えできても、総返済金額が下がるとは限りません。

借り換えで毎月の返済額が下がると、月々の返済負担は少なくなります。しかし、返済期間が長くなれば利息の負担が大きくなり、結果的に総返済金額が増える可能性があります。借り換えの際は、検討している借り換え先の返済方式や返済額を事前に確認しましょう。

なお、カードローンの適用金利は審査によって決まります。したがって、借り換えで必ず金利が下がるとは限りません。

審査を受けても借り換えができるとは限らない

借り換え先のカードローンに申込むと、必ず審査が実施されます。審査に通過できなければ、借り換えはできません。

また、審査基準や内容は公表されておらず、またカードローンによっても異なります。したがって、審査に通過できるかどうかは申込んでみないと分かりません。収入や借入れの状況などによっては、審査に落ちる場合や希望の金額を借りられない場合もあります。

なお、カードローンの審査で一般的に見られる項目は、属性情報(収入や勤務先など)や信用情報(クレジットカードやローンの取引に関する情報)です。審査では、これらの情報をもとに返済能力があるかどうかが総合的に判断されます。

カードローンを借り換えたほうがいい方

カードローンの借り換えを検討したほうがいいのは、主に以下のような方です。

  • 利用中のカードローンで金利が高いと感じている方
  • 毎月の返済に負担を感じている方
  • 利用中のカードローンで利便性が悪いと感じている方

現在金利が高いと感じている方は、借り換えによって金利が下がり、利息を軽減できる可能性があります。

また、借り換えで毎月の返済額を下げられる可能性もあります。利用中のカードローンで毎月の返済に負担を感じている方は、現在の借入先に返済額を下げられないかどうかを相談したうえで借り換えを検討しましょう。

さらに、契約中のカードローンで借入方法・返済方法やスマートフォンアプリの使い勝手がよくないと感じている場合は、自分に合ったカードローンに借り換えれば利便性がよくなります。借入・返済や返済管理がしやすくなれば、確実な返済につながります。

カードローンを借り換えないほうがいい方

カードローンの借り換えで、必ずしも返済負担が軽減されるとは限りません。借り換えの必要性が低いのは、一般的に以下のような方です。

  • 借入金額が大きくない方
  • 契約中のカードローンの金利が低い方

借入金額が大きくない場合、借り換えで金利が下がっても総返済金額が大きく減る可能性は低いでしょう。毎月の返済額が下がれば、結果的に総返済金額が増える可能性もあります。

また、借り換えをしても現在の金利とほとんど変わらないようであれば、利息を大きく減らせるわけではありません。ただし、借入金額が大きい方は、金利の差がわずかでも総返済金額が大きく軽減される場合もあります。

カードローンの借り換え先の選び方

カードローンの借り換えで返済負担を軽減するには、借り換え先の選び方も重要です。そこで、借り換え先を選ぶときのポイントを解説します。

  • 申込条件
  • 金利の低さ
  • 借入れ・返済のしやすさ

申込条件

申込条件は、カードローンによって異なります。借り換えを検討している先の申込条件を満たしているかどうかを事前に確認しましょう。

たとえば、セブン銀行カードローンにお申込みいただけるのは、以下の条件をすべて満たす方です。

  • セブン銀行口座をお持ちのお客さま(個人)
  • 契約時の年齢が満20歳以上満70歳未満のお客さま
  • 一定の審査基準を満たし、当社指定の保証会社(アコム株式会社)の保証を受けられるお客さま
  • 外国籍の方は永住者であること

金利の低さ

借り換えを検討する際は、現在利用しているカードローンの金利と借り換え先の金利を事前に比較しましょう。

カードローンの金利は、法律で上限が決まっています。

借入金額 上限金利(年率)
10万円未満 20.0%
10万円~100万円未満 18.0%
100万円以上 15.0%

現在の金利が上限金利に近い場合は、借り換えで金利が下がる可能性が高くなります。

また、借り換え先の金利をみるときは、最低金利ではなく最高金利を比較しましょう。カードローンの金利は審査によって決まるため、最高金利が適用される場合もあります。

なお、セブン銀行カードローンの金利は年12.0%〜15.0%です。

借入れ・返済のしやすさ

カードローンによって借入方法・返済方法や利用できるATMが異なります。自宅や職場の近くにATMがあるなど、自分のライフスタイルに合わせて借入れ・返済のしやすい借入先を選びましょう。

カードローンによっては、スマートフォンアプリを利用して、コンビニATMでカードレスでの借入れ・返済ができるところもあります。

また、借入れ・返済にかかる手数料も比較しましょう。ATMご利用手数料がかからないカードローンに借り換えれば、借入れ時・返済時のコストを抑えられます。

借入れ・返済を頻繁にする場合は、そのたびに手数料がかかるため、手数料無料の借入方法・返済方法を確認しておくことが重要です。

カードローンを借り換える際の注意点

カードローンの借り換えには注意点もあります。借り換え後も計画的に返済し、利息の負担を減らすために、以下の点をおさえておきましょう。

  • 総量規制によって審査に落ちる可能性がある
  • 事前に返済シミュレーションを利用する
  • 余裕があるときは追加返済する

総量規制によって審査に落ちる可能性がある

借り換える際は、すでに借入れがある状態での申込みとなるため、総量規制に注意しましょう。

総量規制とは、年収の3分の1を超える借入れを禁止する規定です。貸金業法が適用される消費者金融のカードローンやクレジットカードのキャッシングなどに適用されます。複数社から借入れしている場合は、合計で年収の3分の1が上限です。

総量規制に当てはまると審査に通過できないため、申込みの前に借入状況を把握しておきましょう。

ただし、借り換え・おまとめ専用のローンは総量規制の「例外貸付」に該当するため、年収の3分の1を超えて借入れできる可能性があります。

なお、銀行のローンは総量規制の対象ではありませんが、多くの銀行が過剰な貸付を防止する目的で年収に対する融資額に独自の上限を設けています。

事前に返済シミュレーションを利用する

借り換えを検討する際は、事前に返済シミュレーションを利用し、返済額や利息がどのように変わるのかを確認しましょう。

返済シミュレーションとは、借入金額など簡単な項目の入力で、毎月の返済額や返済回数を試算できるツールです。

返済期間が長くなれば、借り換え前より総返済額が多くなる可能性もあるため、いつ完済するのかもシミュレーションで把握しておきましょう。

余裕があるときは追加返済する

借り換えによって金利が下がっても、総返済額が軽減されるとは限りません。手元のお金に余裕があるときは、任意返済して利息の負担を抑えましょう。

「任意返済」とは、毎月の決められた「約定返済」とは別に、好きなタイミングで任意の金額を追加で返済することです。任意返済をすれば返済期間を短縮でき、約定返済のみを行うときと比べて利息額を軽減できます。

任意返済を行う際は、手数料がかからないかも確認しておくと安心です。

セブン銀行カードローンは金利年12〜15%で借入れが可能

セブン銀行カードローンは、お申込みからご契約までアプリで完結でき、最短翌日にお借入れいただけます。

セブン銀行カードローンの金利は年12.0%〜15.0%で、新規お申込みのご利用限度額の上限は50万円です。現在のお借入れが50万円以下で、金利が年15.0%以上の方は、セブン銀行カードローンへの借り換えで金利が下がる可能性があります。

ご契約後は、ダイレクトバンキングサービスまたは全国のセブン-イレブン等に設置されているセブン銀行ATMからお借入れが可能です。

曜日や時間帯にかかわらず、お借入れ・ご返済時の手数料が無料でご利用いただけるため、負担を抑えてお借入れしたい方はぜひご検討ください。

メリットやデメリットを把握してカードローンを借り換えよう

カードローンの借り換えとは、B社から新たに借入れし、そのお金でA社からの借入れを返済することです。現在契約中のカードローンよりも低い金利で借り換えできれば、利息を軽減できる可能性があります。

一方で、金利が下がっても総返済額が下がるとは限りません。また、収入や借入れの状況などによっては、借り換え時の審査に通過できない場合もあります。

メリット・デメリットの両面を踏まえ、借り換えるかどうかを検討してください。また、借り換えの際は事前にシミュレーションを行い、計画的にご利用ください。

この記事の監修者

竹下 昌成 (たけした あきなり)

  • 大家業、TAC講師、竹下FP事務所代表
  • CFP、宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、住宅ローンアドバイザーほか
  • 1971年生まれ。兵庫県西宮市在住。立教大学卒業後、地銀やノンバンク、住宅メーカーFPを経て現職。30歳から大家業をスタート、45歳でFIRE。年間家賃収入3,600万円。得意分野は住宅購入と不動産投資。
  • これより先は外部サイトが開きます