借入可能額とは?年収や信用情報との関係性や増額する際の注意点について解説
借入可能額とは、ローン商品などで使われる「借入れできる金額の上限」を指す言葉です。主に、カードローンやクレジットカードのキャッシング、住宅ローンなどで使われます。
借入可能額は年収や信用情報などをもとに審査で決まるため、利用者ごとに異なります。
本記事では、借入可能額の意味と決まり方、借入可能額を増額する方法を解説します。ローン商品を賢く利用するためにも、借入可能額の意味や仕組みを正しく理解しておきましょう。
借入可能額(借入限度額)が決まっている借入方法
借入可能額とは、「借入れできる金額の上限」を指します。借入可能額が決まっている主な借入方法は、以下のとおりです。
- ・カードローン
- ・クレジットカードのキャッシング
- ・住宅ローン
- ・自動車ローン
カードローン
カードローンとは、担保・保証人なしでお金を借りられる使い道が自由な個人向けローンです。主に、銀行や消費者金融、信販会社などが提供しています。
カードローンの借入可能額(借入限度額)は、審査で決まる「借入れが可能な金額の上限」です。利用限度額ともいいます。
カードローンは、借入可能額の範囲で何度でも借入れが可能です。つまり、上限まで借りた場合も、返済して借入金額が減ると再び上限まで借入れができます。
なお、カードローンの借入可能額には2つの意味があり、混同されやすいので注意しましょう。
- ・カードローン会社が定めている貸付の上限額
- ・利用者ごとに設定される貸付の上限額
カードローン会社が定めているカードローン自体の借入可能額は、「数万円~数百万円」というように幅をもたせて設定されています。
ただし、実際に借入れできる上限額は、利用者ごとに審査で決まるため、だれでも数百万円の借入れができるわけではありません。実際に適用される借入可能額は、契約時に確認しましょう。
また、カードローンの「借入可能額」は、「あといくら借入れできるのか」を指す場合もあります。たとえば、利用限度額50万円、利用残高が20万円の場合、借入可能額は30万円です。契約後、会員ページやスマートフォンアプリなどで確認できます。
カードローンによって使われる言葉が異なることがあるので、それぞれの意味を正しく理解しましょう。
クレジットカードのキャッシング
クレジットカードのキャッシングは、クレジットカードに付帯されているキャッシング機能を利用してお金を借りられるサービスです。
クレジットカードには、商品などの購入に使う「ショッピング枠」のほかに、借入れに使う「キャッシング枠」があります。
キャッシングの借入可能額は、「キャッシング枠で借りられる金額の上限」のことで、「利用可能枠」ともいわれます。カードローンと同様に、借入可能額の範囲であれば繰返し借入れが可能です。
なお、クレジットカードによっては、「利用可能枠50万円、内キャッシング可能枠20万円」というように、キャッシング枠がショッピング枠の利用可能枠にふくまれている場合があります。
上記のケースでは、キャッシングの借入可能額が20万円であっても、ショッピング枠の利用状況によっては上限まで借りられない場合があるので注意してください。
キャッシングの利用可能枠は、一般的にカードお届け時に同封されている案内やカード利用代金明細書、会員ページなどで確認できます。
住宅ローン
住宅ローンは、住宅の購入や増改築に使うお金を借りられるローンです。
住宅ローンの借入可能額は、「住宅ローンで借入れができる金額の上限」です。年齢や年収、勤続年数など申込者本人に関する情報や、担保となる不動産の評価などをもとに審査が実施され、借入可能額が決まります。
各金融機関が提供している「住宅ローンシミュレーション」を使えば、年収や返済額などから簡単に借入可能額の目安をシミュレーションできます。シミュレーションは、申込みをするかどうかにかかわらず、だれでも利用できます。
自動車ローン
自動車ローン(マイカーローン)は、車を購入する際に利用できるローンです。自動車やバイクの購入費用だけでなく、修理費用や車検費用など、車に関連するさまざまな費用に利用できます。
自動車ローンの借入可能額は、「自動車ローンで借入れができる金額の上限」です。自動車ローンにもシミュレーションが提供されており、借入可能額の目安を試算できます。
借入可能額(借入限度額)の決まり方
ローンやキャッシングの利用を申込むと、融資が可能かどうかの審査が行われます。
借入可能額は審査で決まるため、希望した金額になるとは限りません。審査結果次第では、希望した借入可能額よりも低く設定されることがあります。
借入可能額を決定する要素は、主に以下の3つです。
- ・属性情報
- ・信用情報
- ・総量規制
なお、住宅ローンの場合は、上記に加えて担保の価値も借入可能額に影響します。
属性情報
属性情報とは、申込者本人に関する情報です。たとえば、以下のような情報が該当します。
- ・年齢
- ・性別
- ・年収
- ・勤務先
- ・雇用形態
- ・勤続年数
- ・居住形態
- ・家族構成
ローンやキャッシングの申込時には、上記のような属性情報を申告します。融資の可否や借入可能額を決定するうえで重要な材料となるため、正確な申告が必要です。
信用情報
信用情報(個人信用情報)とは、信用情報機関に登録されているローンやクレジットカードの申込み、借入・返済の状況などに関する情報です。
金融機関やクレジットカード会社は、ローンやキャッシングの申込みを受けると、申込者の信用情報を確認します。ここで延滞や債務整理など、いわゆる「異動情報」が登録されていると、ローンやクレジットカードの審査に通りにくくなります。
信用情報は、申込者の信用力や返済能力を判断する重要な材料であり、借入可能額にも影響する場合があります。
総量規制
総量規制とは、貸金業法上の賃金業者に対して、申込者の年収の3分の1を超える貸付を禁止する規制です。たとえば、年収が300万円の場合、貸金業者から100万円を超える借入れはできません。借入可能額は、年収の3分の1以下になると覚えておきましょう。
なお、複数の貸金業者から借入れしている場合は、1社ごとではなく、すべての貸金業者からの借入合計に対して総量規制が適用されます。年収300万円の人がA社からすでに50万円借りている場合、B社から新たに借入れできるのは50万円までです。
銀行は貸金業者ではないため、銀行カードローンは総量規制の対象ではありません。しかし、過度な貸付を防ぐため、各銀行も自主的に基準を設けています。
したがって、年収や他社からの借入は、銀行カードローンの借入可能額にも影響します。
借入可能額(借入限度額)は増額できる場合がある
カードローンやキャッシングの借入可能額(借入限度額)は、途中で増やせる場合があります。
増額には審査があり、審査に通れば借入れできる金額を増やせます。カードローンの場合、一般的に借入可能額が高いほど適用される金利が低くなるため、増額によって金利が下がることがあります。増額の申請は、会員ページや電話で行います。
なお、住宅ローンや自動車ローンなど、使い道が指定されているローン(目的別ローン)は、原則として契約後に借入可能額(借入金額)を増やすことはできません。
借入可能額(借入限度額)を増額する際の注意点
カードローンやクレジットカードのキャッシングでは、借入可能額を増額できる場合があります。ただし、増額を検討する際は以下の点に注意してください。
- ・一定期間が経つまで増額できない場合がある
- ・審査に通過しなければ増額できない
- ・年収確認書類の提出が必要な場合がある
一定期間が経つまで増額できない場合がある
カードローンやキャッシングの借入可能額を増額する際、契約から一定期間が経過していないと申請できない場合があります。ある程度利用実績がないと、きちんと返済してくれる人かどうかを判断しにくいためです。
借入可能額を増やしたい場合は、毎月確実に返済し、一定期間が経過してから申込みをしましょう。
審査に通過しなければ増額できない
カードローンやキャッシングの借入可能額を増額する際は、新規申込時と同様に審査が実施されます。
信用情報に返済の遅れ(延滞)などの異動情報が記録されている、年収が低いといった理由で返済能力がないと判断されれば、増額は難しいでしょう。反対に、毎月滞りなく返済しており、収入が上がったなどの良い変化があれば、増額審査に良い影響を与える可能性があります。
なお、年収や借入状況などの変化によって、増額を申請したにもかかわらず、審査で借入限度額が減額される可能性もあるので注意してください。
年収確認書類の提出が必要な場合がある
借入可能額を50万円以上に増額する場合など、年収確認書類の提出が必要になることがあります。年収確認書類とは、1年間の収入が分かる以下のような書類です。一般的に、インターネット上で簡単に提出できます。
- ・源泉徴収票
- ・住民税決定通知書
- ・課税(所得)証明書
- ・確定申告書
提出する書類は直近のものを用意しましょう。その際、申告した年収と年収確認書類に記載された年収が相違しないように注意してください。不備があると審査に時間がかかるだけでなく、場合によっては審査の結果に影響する可能性があります。
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借入可能額を把握して計画的に利用しよう
借入可能額とは、ローン商品で借りられる金額の上限のことです。カードローンやクレジットカードのキャッシングの場合、借入可能額(借入限度額)の範囲内であれば繰返し借入れができます。
また、借入可能額は「その商品として貸付が可能な金額の上限」という意味でも使われます。ただし、実際の借入可能額は利用者ごとに審査で決まり、だれもがその商品自体の借入可能額まで借りられるわけではありません。
カードローンの借入可能額は、適用される金利に影響することもあります。利用する際はご自身の借入可能額を把握し、必要に応じて増額申請を検討しても良いでしょう。
- この記事の監修者
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竹国 弘城(たけくに ひろき)
RAPPORT Consulting Office (ラポール・コンサルティング・オフィス)代表
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1級ファイナンシャルプランニング技能士、CFP®
名古屋大学工学部機械・航空工学科卒業。証券会社、生損保代理店での勤務を経て、ファイナンシャルプランナーとして独立。お金に関する相談や記事の執筆・監修を通じ、自身のお金の問題について自ら考え、行動できるようになってもらうための活動を行う。ミニマリストでもあり、ミニマリズムとマネープランニングを融合したシンプルで豊かな暮らしを提案している。趣味はサウナ(サウナ・スパプロフェッショナル)。